甲状腺全摘後のヨード治療の準備
今回は甲状腺全摘後、ヨード治療入院前までの話で、以下記事の続きになります。
2回目の手術後の経過
1回目とは異なり、リンパ郭清は無かったので、個人的には術後の経過もかなり楽でした。
3日後に受けた検診でも傷の経過はよく、痛みもほとんど感じていませんでした。1度目でひどかった声のカスレもほとんど無く、退院後に日常生活で困ることはない状態でした。
この時の血液検査でカルシウム値が9.8まで落ちていたため、細粒1.5g/日を追加することとしました。
その後、半月〜1ヶ月に一度の検査を受けてカルシウム値の経過を見、3ヶ月近く経った今ではカルシウムの補助としてはアルファロール一錠のみとなっています。(もちろん甲状腺機能の代替としてはチラージンを服用しています)
ヨード治療を行う病院に面談へ
手術を受けた県内の大学病院ではヨード治療を行うことができず、別の県外の病院を二つほど紹介されました。ヨード治療は手法が確立されたものであるため、どこで受けてもあまり違いはないとのことでしたので、比較的空いてそうな方の病院を選びました(以下、ヨード治療を行った病院をB病院と書きます)。
手術の結果、検査データなどを持ってB病院を訪れたのが退院後1週間経ってから。担当頂いたC先生、ノリは軽い感じ。
以下、C先生の話の要約です。
・大学病院のA先生から紹介されるのは、基本的に高リスクと判断された人が来る。
・「病理検査の検体を自分で見たわけではないから推測だが、もしかするとGinpaさんのは顔つきのいいがんではなかったのかもしれない。」とのこと。
・B病院では、治療開始まで最短で2ヶ月半
・放射性ヨウ素を残存組織、あるいはがん細胞が取り込みやすくするため、全摘後から服用しているチラージンはヨード治療開始の4週間前から中止し、チロナミンへ切り替え。チロナミンも治療開始の2週間前に中止。
・食事からヨードを取り込まないようにヨード制限食を治療開始の2週間前から開始。
・ヨード服用の前日から入院。入院時点で血液検査を行い、サイログロブリン値が30以上であれば合格、治療が出来る。
・服用後、当日入れて4日間隔離部屋に入院。
・体から出る線量が30マイクロシーベルト以下であれば隔離部屋から脱出出来る。
・放射性物質は甲状腺組織に取り込まれなかった分は9割がた尿に出る。多少、便や汗に出る。
・チロナミンをやめて、甲状腺機能低下症になるはず。体がだるいなどの症状が出るかもしれないが、程度は人によるのでなってみないと分からない。
私「やっぱり授乳は継続しない方がいいですか?」
C先生「同様の治療を行うパセドー病の患者で治療3ヶ月後の母乳に放射性物質が残っていたというデータがあります。甲状腺がん治療の方が甲状腺組織を残していない分、放射性物質は抜けやすいですが、投与量はパセドー病より多いのでなんとも。。結局、授乳、妊娠は治療から1年待ってくださいというのがガイドラインです。」
正味の話、母乳に残る放射性物質がどの程度、どの期間続くのかはわからない様子でした。
リスクを抱えた(というかよく分からない)母乳を子供に与えるわけにはいかないので、大変残念でしたが、ヨード治療前に母乳育児は終了です。がっかり。
また今回私は治療までの待ち時間が2ヶ月半でしたが、これは比較的空いているB病院の場合。
日本ではヨード治療が必要な患者数に対してヨード治療施設数が不足しており、他の人気のある(都会とか?)病院では半年待ちはザラにあるみたいです。
別のデータでは、甲状腺がん患者数は増加傾向にあるとか。ヨード治療は隔離部屋などの認定が必要な特殊施設が必要であり設置のハードルが高いみたいですが、何とかして欲しい問題ですね。
参考ページ
甲状腺がんとは|甲状腺がんについて|甲状腺がんについて|甲状腺がん.hhc
入院までのあれこれや持ち物の準備など
こうして、全摘術後の経過に問題のなかった私はヨード治療の予約をB病院で手配し、服薬の変更やヨード制限食で準備を進めることになりました。
制限食の乗り切り方と子供の完母から完ミへの切り替えもなかなかボリュームのある出来事でしたが、これらについては別記事に載せます。
で、肝心の甲状腺機能低下症ですが、服用を辞めてから2週間、私は自覚症状ほとんどありませんでした。
授乳を辞めたのと同時期だったので、もしかするとその影響かもしれないですが、「やや便秘」「食欲減退」はありました。その他、体重は変化なく、疲れやすさも自覚は無しでした。
あと、今回、隔離部屋に入るということで、普通の入院よりも準備する荷物が多くなってしまいました。だいたい準備して正解だったなーと個人的には思ったので、以下列挙します。
捨てて帰る「サンダル」暇つぶしの「小説」。
入院中毎日使い捨てる「下着」「タオル」「歯ブラシ」「ハシ」「紙コップ」。
入院中のみの小分けとした「化粧水」「(乾燥肌なので)保湿剤」「シャンプー、洗顔、ボディソープ」。
尿をたくさん出すための「2ℓの水とお茶」「ドリップコーヒーいっぱい」「紅茶パック」。
放射性ヨウ素によってダメージを受ける可能性のある唾液腺保護のため、唾液を出すための「ガム」「グミ」。